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Vol.48HDDからカチカチ等の異音がしたら

HDDからカチカチ等の異音がしたら

HDDから普段の動作音と違う異常な音(カチカチ等)が出てパソコンで認識しなくなることがあります。HDDの中のパーツが正常に動作せずに異常音が出ている状態ですが、異音の種類によってハードディスクの内部で起きている障害は異なってきます。異音が出るとどうなってしまうのか、その仕組みと音の違いについて解説します。

HDDの動作について

HDDはさまざまなパーツで構成されています。ハードディスクの内部にはデータが記録されたプラッタと呼ばれる円盤、プラッタを動かすスピンドル・モーター、データをプラッタから読み込む磁気ヘッド、磁気ヘッドを動かすアームがあります。
プラッタの表面にデータ記録用の磁性体を塗ることで、データを記録できるようになります。このプラッタがスピンドル・モーターにより回転し、その回転したプラッタの表面を磁気ヘッドが動くことでデータを読み書きする仕組みです。
部品のどれか一つでも動作がおかしくなるとデータの読み書きは正常に行えなくなり、壊れ方によっては異音が発生するようになります。また、どのパーツが壊れるかによって音の違いが出てきます。

HDDの基本構造

異音の種類

こすれる音、削る音→磁気ヘッドの故障

磁気ヘッドの故障には、ヘッドクラッシュと呼ばれるものがあり、その名の通り磁気ヘッドが損傷して正常に読み書きができない状態を指します。ハードディスクは高速で回転するプラッタに記録された情報を、磁気ヘッドが読み取る仕組みになっており、磁気ヘッドとプラッタの間には非常にわずかな隙間しかありません。この磁気ヘッドが曲がったり、位置がずれたりしてしまうとプラッタに接触してしまい、ジャリジャリとこすれるような異音、物を削るような異音が生じます。データが記録されているプラッタに接触するので、ヘッドクラッシュが起きた状態で通電し続けると、データを保存しているプラッタに傷がついてしまいます。

正常なヘッドの写真・破損したヘッド・傷ついたプラッタの写真
物がぶつかる音→アームの故障

アームはサーボ情報を読み取って動作し磁気ヘッドを動かしデータを読み込みますが、劣化によりこのサーボ情報を読み取れなくなると、アームがプラッタのどこに位置するのか判断ができなくなってしまい正常な駆動範囲を超えて動作をしてしまいます。

アームの隣には、アームの可動範囲を制限するストッパーがあり、本来であればこのストッパーに触れる程度の範囲で稼働します。故障によりアームが異常動作をするとストッパーやハードディスクケースの内側に強くぶつかり、カコンカコンと大きめの異常音が出ることがあります。
この状態を続けてしまうとヘッドが最終的に損傷してしまいプラッタに傷をつけてしまうなど状況を悪化させてしまいます。

稼動域を超えてストッパーにぶつかるアームの写真
モーターが回りきれない音→スピンドル・モーターの故障

回転を続けるプラッタの中心部分は、摩擦を減らすために軸受という部品で支えられています。以前は小さなボールを間に挟んだボールベアリング(玉軸受)が使用されていましたが、現在では主に流体軸受が用いられています。摩耗により劣化するボールベアリングと比べると、流体軸受けは劣化に強いものの、長期使用や使用環境の温度変化によってダメージが蓄積されて摩擦が大きくなり、モーターの回転が円滑ではなくなります。

通常、モーターが回転し始めると徐々に音が大きくなり、決まった速度に到達すると動作音は一定の大きさになり安定します。これをスピンアップと呼びます。一方、軸受が劣化すると、正常なスピンアップができなくなり、一定時間後に動作を停止し、再び回転を始める動作を繰り返すため、モーター音が大きくなったあとすぐに小さくなる不安定な動作音が発生します。

稀なケースになりますが、長時間通電を行わない場合も軸受で使われているオイルの粘度が上がり回転抵抗が増加するので、スピンアップが正常に出来ずに異音が発生するようになります。

電子音→ハードディスク自体が何らかの異常を検知

一部のハードディスクは、基板上に小型スピーカーを搭載していて、何らかの異常を検出した際に、ピーピー・プープーといった電子音(ビープ音)を発するようになっています。障害の内容は様々ですが、正常動作しない状態になっているものがほとんどです。かろうじて稼働する状態でも、異常を検出した状態で無理に稼働を続けるとダメージが大きくなる可能性があるので速やかに使用を中止してください。

無音→モーターの故障、電源の故障など

通電させているにもかかわらずハードディスクからまったく音が出ない場合もあります。
本来はモーターがプラッタやアームを動かすので、何らかの動作音が出るはずですが、まったくの無音だとモーターが壊れているか、モーターに電力を供給する回路のどこかに異常が発生していることになります。

異音の原因

内部から異音が発生しているハードディスクは、比較的重篤な障害となります。故障の原因は様々で、落下や転倒による物理的ダメージのほか、経年劣化による部品の消耗も原因となります。

ハードディスクを机の上から落としたり、倒したりすると内部パーツが故障する可能性が高いのは当然ですが、その時のハードディスクの状態によっても故障のリスクが変わります。通電していない状態のハードディスクの内部では、磁気ヘッドはプラッタの上から退避された状態にあり、多少の衝撃ではアームとプラッタと接触することはありませんです。一方、データを読み書き中であれば磁気ヘッドはプラッタ上に位置しているため、小さな衝撃でもダメージが大きくなり、落下させるとヘッドとプラッタが接触して故障する危険性が高くなります。
しかし、稼働中の落下に対して完全に無防備というわけではなく、ノートパソコン用のハードディスクには加速度センサーが搭載されたものがあり、落下を検知した瞬間にヘッドをプラッタ上から退避させて故障を防ぐ仕組みになっています。

また、ハードディスクは高温環境で稼働すると部品の変形、異常動作、軸受の劣化などが発生しやすくなり、故障率が高くなります。パソコンや外付けハードディスクケースの通気口がホコリでふさがっていたり、冷却ファンが故障したりすると発生した熱の逃げ場がなくなって熱がこもり、室温よりも20度以上高くなることもあります。一般的に、ハードディスクの動作温度は50度以下が推奨されていて、50度以上の環境で長期間使用を続けると故障のリスクが大きくなります。

落下や経年劣化により磁気ヘッドが故障し、プラッタと接触するとどうなるでしょうか。プラッタの表面には記録用の磁性体が塗られており、ヘッドが接触すると磁性体が削り取られてしまいます。当然、磁性体が削られた部分のデータは永久に失われますが、影響はそれだけではありません。磁気ヘッドとプラッタは、10ナノメートルという非常にわずかな隙間しか隔てておらず、剥がれた磁性体がヘッドやプラッタに付着すると隙間がなくなり、さらに磁性体が剥がれたり、ヘッドが破損したりします。
ヘリウム充填ハードディスクなどの一部を除き、一般的なハードディスクは完全密閉されておらず、フィルター越しに外部と空気の出入りができるようになっていますが、磁性体が剥がれるとこのフィルターに付着し、最終的には真っ黒に汚れます。

プラッタについたリング状の傷の写真・磁性体が剥がれ汚れたフィルターの写真

異音が起きた場合の対処方法

ハードディスクは永久に使えるものではなく、使えば使うほど故障の確率が高くなります。故障は前触れもなく突然起きることが多く、異音が発生した時点で手遅れであることがほとんどです。異音が発生した後もデータの読み書きができることもありますが、致命的なダメージがあることに変わりはなく、異音が出た後でバックアップをしても、コピーが終わる前にハードディスクの状態が悪化して故障がより深刻に危険性があります。

プラッタが大きく傷ついてデータ復旧も不可能になるような状態に陥ることを避けるために、異音が発生した時点で使用を中止し、まずは弊社にご相談ください。

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