岩手大学 教授 冨田浩史様によるお客様の声
NAS(RAID1構成)HDDのデータ復旧

お客さまの声

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岩手大学 教授 冨田浩史様

岩手大学 教授 冨田浩史様

人工網膜や緑藻類の遺伝子を利用し、失明者の視覚機能再建を目指されている岩手大学 教授 冨田浩史様より、NAS(RAID1構成)HDD 16TBのデータ復旧作業をご依頼いただきました。ネットワーク上で認識できない状態でしたが、データ復旧可能となりました。

●ホームページ :https://www.se.iwate-u.ac.jp/teacher/tomita-hiroshi/

障害発生の状況についてお教えください。

研究室で研究データや思い出の写真などの管理にRAID構成のNASを使用していました。前触れなく突然NASにアクセスできなくなり、NASのマニュアルに沿ってダイレクトにPCを接続するなどいろいろと対応しましたが、どうにもならない状態でした。途方にくれてインターネットでデータ復旧に関して検索したところ、データレスキューセンターさんのサイトにたどり着きました。

データレスキューセンターをご利用いただくまでの経緯をお教えください。

まず、データレスキューセンターさんにお電話で問い合わせをしたところ、状況の確認があり、今回使用しているRAID1構成のデータ復旧にかかる費用の目安について丁寧な説明をいただきました。また、復旧可能な場合は取り出せるデータのリストの提示もあるとのことで、安心感があるな、と思いました。他にもデータ復旧業者に問い合わせてみたのですが、同じ電話対応でも費用などの説明にあいまいな点が多く、はっきりしない印象を受けましたので、今回は安心してお任せできそうなデータレスキューセンターに依頼しました。

どのようなデータを保管されていたのですか?

日々の研究データや、研究室でのイベントなどの活動写真や紹介動画など、4~5年分ほどのデータを保存していました。昔のデータは別のメディアにデータを移し替えるなどの対応はしていましたが、使用頻度の高い最近のデータはトラブルの起きたNASにしか保存していなかったため、かなり焦りました。

普段のデータの管理、取り扱いについてお教えください。

クラウドサービスは使い方に不安があることもあり、個人では活用していますが、研究データ等では使用していません。また、古いデータに関してはパソコンで簡単に読み出し可能なBlu-rayディスクにデータを保存することが多かったのですが、今はファイルサイズがかなり大きくなってきていますので、ディスクだと何十枚と必要になる点が、今一番の悩みです。将来的にはもっと容量の大きなRAIDを導入することも検討しています。

データ復旧のご報告や対応についてはいかがでしたでしょうか?

やはり自分ではどの程度の障害状況なのかもわかりませんし、本当に復旧できるのか、どれぐらい復旧できるのかも検討がつかないため、結果が出るまではすごく不安でしたので、復旧可能とご連絡をいただき、素直にほっとしました。
復旧可能なデータリストを確認した際、最初は見慣れないシステムファイルの記載などに戸惑う所もありましたが、必要なデータの名前等の確認もできましたし、おそらくほぼ復旧できているだろうという感覚を持つことができましたので、安心しました。メールの説明もわかりやすかったので、納得して復旧作業を依頼させていただきました。
金額については最初に説明をいただいていたものと差はありませんでしたので、すぐに依頼しました。もちろん無くなったら困るデータばかりでしたので、感覚的には「安いな」とは思いましたが、望むならもっと安価で対応できると嬉しいな、という気持ちはあります(笑)

復旧したデータを受け取られていかがでしたか?

復旧可能とご連絡をいただいた際に、おそらくほぼ復旧できているだろうという感覚はありましたが、研究データなどもありましたので、実際に手元で本当に問題なく開くのだろうか、という不安はありました。データが手元に届いて、実際に1つ1つ開いていきましたが、トラブルなく開くことができ、本当にほっとしました。仮に50%ぐらいしか復旧できなかったとしても、直近の必要なデータはこのNASにしか保存していなかったので依頼したとは思いますが、問題なく今まで通りデータを使用できています。ここまで綺麗に復旧していただけたので、信頼できるデータレスキューセンターさんにお願いして本当によかったと思います。

冨田様は視覚神経科学、神経科学、分子生物学が先行とお伺いしております。また、「緑藻類が持つ光感受性遺伝子を利用した視覚再生法のヒトへの応用研究の第一人者」と拝見いたしました。具体的に現在どのような研究を行われているのかお教えください。

目が見えなくなる病気は様々ありますが、失明につながる病気があります。病気の進行を防ぐ方法もなく、ただ見えなくなるのを待つだけの病気、それが「網膜色素変性症」です。患者さんは「あなたは網膜色素変性症です」と目が見える段階で宣告されると、治療法もなく、進行を遅らせる薬もない、そして将来目が見えなくなるかもしれない、その不安な気持ちと共に過ごさなければなりません。そういう病気に対して完全に目が見えなくなった時に、視機能を回復させる治療法があれば、患者さんも「見えなくなってもこの治療法がある」と安心していただける。そういう思いで失明した患者さんの視覚機能を回復させる治療法を研究しています。その方法が遺伝子治療です。内容としましては、光を感じ取る能力を持つたんぱく質を目の中にいれてあげる。そうするとまた視機能が回復する、という治療法です。

先生はもともと失明の原因となる網膜色素変性の進行を止める治療法の研究を行なっていたと拝見しましたが、そこから現在の遺伝子治療の研究にいたるきっかけなどお教えください。

今も網膜色素変性症の治療法については研究を続けています。たまたま、失った視機能を回復させる治療法のほうが先に上手くいった状況です。当時から進行を抑制する方法、目が見えなくなった時に視覚を回復する方法、この2つを並行して走らせています。現在の遺伝子治療で使用している光を感じ取る能力を持つたんぱく質との出会いは本当に偶然です。当時、大学の医学部で私はずっと目を研究していました。その真向いの研究室の先生が脳を研究している方で、光を感じ取る能力を持つたんぱく質をドイツの先生と一緒に研究をしていました。そういったたんぱく質は今まで世の中にはなかったもので、「じゃあ目に応用してみようか」という話になり、一緒に研究を始めたのがきっかけです。

網膜色素変性の失明のプロセスと、視覚の回復を取り戻すプロセスについてお教えください。

網膜色素変性は患者さんによって経過がまったく違います。その違いは謎に包まれていますが、病気の原因は遺伝子の変異です。患者さんは間違った遺伝子をもともと持っています。その間違っている箇所が同じ患者さんであっても、一生視力を失わない方もいれば、早期に失明される方もいます。同じ遺伝子変異であっても環境要因などに依存し、進行が変わってきます。だいたい50歳ぐらいで目が見えづらいなとなってから、早い人であれば10年程度のスパンで失明される方もいらっしゃいます。
治療方法としては目に直接注射をし、遺伝子が取り込まれてたんぱく質が作られていくのですが、「どれぐらいの細胞に取り込まれるか」という比率が非常に重要です。現状ではそこの比率を人為的にコントロールすることができていません。確率論的にだいたい30%の細胞に入りますが、その比率を高めることができないため、もしうまく見えるようになったとしても、今までの三分の一程度の視力。もともと1.0視力があった人は0.3ぐらいという計算になります。0.3になれば生活に困らないとは思いますが、そこまでの回復が見込めるかは難しいところです。ただ、ラットを使用した動物実験ではかなりいい結果が出ています。正常なラットでも視力は0.02ぐらいしかありませんが、実験ではもともとあった視力に近い視力が得られていることが分かっています。これをみるとかなりいい視力が取れそうな気はしますが、人はやってみなければわからないのが現状です。

アカデミアでの研究が治験や実際の治療として確立するまで長い時間がかかると思われますが、研究のプロセスやそれにまつわる苦労等についてお教えください。

初めて今の研究に取り組んだのが2004年、2005年で、かれこれ17年ほど研究を続けています。ただ、当時使用していた遺伝子よりは今作った遺伝子の方がはるかに機能がいいものになっています。私たちの遺伝子も一時期大手の製薬会社さんと一緒に開発しようと進めていましたが、私たちの思いとは別にこれ以上は難しいということで、途中でやめられたこともあります。私たちの思いは「患者さんに届けたい」だけですが、実際に製品にするとなると、それ以外に利益であったり、様々なことも関係してきます。そのため、利害関係が一致せずに進まなくなることもあり、そこは非常に難しい所だと感じています。
私自身もそのような経験から自分でベンチャーも立ち上げ、開発を進めようとしていますが、予算的になかなか厳しく、思うように進められないところがあります。個々の利益が一致しているといいのですが、そこが違うので非常に難しい所で、今も困っている点です。

今後の研究課題や目標などについてお教えください。

研究室にいるほとんどの学生が、将来製薬企業なり研究所に勤め、自分が携わったものを薬にしたいと考えています。薬の開発に携わる以上、今日明日にできるものではありません。自分が本当にやりたいことに向かって努力し続ける以外、成功の道はありません。どの程度のモチベーションを保ち、継続できるかが鍵となります。まさに『継続は力なり』、それにつきるとおもいます。
実験をしていて、上手くいかないことの方がはるかに多いです。しかし、上手く行った時の喜びというものは何事にも代えがたいものです。上手くいかない中で1つ何か上手くいく喜びを目指して研究を続けることが非常に楽しいと私は思います。今回ある遺伝子を作りましたが、その遺伝子を基にまた別の色を感じ取るような遺伝子を人工的に作ろうと、いろんな遺伝子を作っています。将来的にはもしかするともっとカラフルに認識できるようになるかもしれません。
私はこういった医薬品の研究を昔からずっと続けていますので、定年するまでには自分が手掛けたものを薬にしたいです。それも1つでは物足りません。2つ3つ、できるだけ多く、自分が手掛けたものを薬にしたい。それだけが私の夢です。

最後にデータレスキューセンターに対するご感想をお聞かせください。

今回はRAID本体ではなく、HDDのトラブルとのことでしたので、新しいHDDでRAIDを組みなおし、復旧していただいたデータを戻して今までのように使用できるようにしました。古いデータは別の場所に保管していましたが、直近のデータは完全にNASを信頼しきっていたので、まさか今回のようなトラブルが発生するとは思ってもいませんでした。特に保管しているデータは研究データなので、同じデータを取り直そうとするとそれこそ何か月どころではありませんので、今後はきちんとバックアップを取るなどの対策をしたいと思います。
今回は急ぎでなかったのでエクスプレスサービスではなく通常サービスで依頼をしましたが、トータル一週間程度で復旧データが手元に戻りましたので、僕からすると無茶苦茶早い印象です。データレスキューセンターさんは土日祝日も営業されていますが、その対応力には本当に驚くばかりです。もしまた同じようなトラブルが起きてもデータレスキューセンターさんに頼んだらなんとかなると思えるだけで安心できます。バックアップなどの対応はもちろんですが、有事の際にはまた依頼したいと思います。本当にありがとうございました。

※お忙しい中、快くインタビューに応じていただいた冨田浩史様に心よりお礼申し上げます。

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