九州大学医学研究院教授 林 克彦様|故障した内蔵HDD(1TB)のデータ復旧
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九州大学医学研究院教授 林克彦様

九州大学医学研究院教授 林 克彦様様

データ復旧で日本TOPクラスの復旧件数を誇るデータレスキューセンターは、分子生物学や細胞生物学的な手法を用いた哺乳類の生殖細胞の発生・分化の研究に取り組まれている九州大学医学研究院教授 林克彦様より、故障したiMac内蔵HDD(1TB)のデータ復旧をご依頼いただきました。HDDに物理障害が発生していましたが、約560GBのデータ復旧に成功しました。

●ホームページ :https://www.lab.med.kyushu-u.ac.jp/hgs/greeting/

障害発生時の状況をお教えください。

トラブルが起きたのは10年ぐらい前から使用していた古いPCです。パソコンを入れ替えたりして、ここ1年ぐらい使っていなかったのですが、昔はクラウドなどはなかったので、ちょうどそのPCのHDDにしかないデータがあり、「久しぶりに開こう」と思ったところ、スタートアップせず「これは参ったな」と思いました。

データレスキューセンターをご利用いただくまでの経緯をお教えください。

まずは別の業者に出してPC自体の簡単な検査をしていただいたところ、「これはデータそのものがおかしくなっている」と言われてしまい、データ復旧専門業者を探すことになりました。自分たちでネットで調べて出てきた復旧業者をいくつかピックアップして大学の事務に相談したところ、データレスキューセンターさんは大学としての取引事例も、実際の対応事例も多数あるとのことでしたので、それなら依頼しようと思い、申し込みさせていただきました。ホームページの内容も知識のない自分でも分かりやすかったですし、すぐに同じ福岡の業者だということもわかったので、そこも良かったです。

普段のデータの管理、バックアップ方法をお教えください。

技術の進歩もあり、PCやデータの管理はすごく重要だと感じています。今はクラウドがメインとなりますが、クラウドは本当にセキュリティが大丈夫なのか、という心配がないわけではありません。ただ、持ち歩かずともどこでもデータを引き出すことができる利便性がとても大きいです。研究に使用している解析用には少し大きなサーバーのような専用の機器がありますが、そのデータはやはりテラバイトレベルです。そういったものは、研究室内でバックアップ用のHDDで保管しています。

通常、初期調査は48時間以内でご報告させていただいておりますが、お預かりしたHDDは読み取りエラーが多発しており、構造情報の解析、修復作業はファイル数も多く調査結果のご報告までにお時間をいただきました。結果が出るまでの弊社の電話やメールでのサポート対応についてはいかがでしたか?

最初の業者でもデータがおかしくなっているといわれていましたし、調査時間がかかっていることに関して、特に不安はありませんでした。基本的にはどのメールも丁寧でわかりやすい文章でご対応いただいていたので、むしろ僕がいろいろ忙しくお返事が出来ず申し訳なかったぐらいです。結果が出るまでもメール、電話でも対応いただきましたし、結果が出た後も定期的にリマインドを頂くことができました。

最終的なデータ復旧のご報告についてはいかがでしたでしょうか。あわせて、復旧したデータを受け取られたご感想をお聞かせください。

データレスキューセンターさんは最終的なお見積もりと復旧可能なデータリストの提示を頂いたうえで、こちらが最終的に復旧をする、しない、というお返事をするという段階の対応を頂けたので、そこは非常に良かったと思います。復旧可能なデータのリストには膨大な記載があり、僕の方で「これで返事をしていいのか」という判断確認に時間がかかりましたが、せかされることもありませんでした。リストについてはあれ以上はまとめようがないと思いますので、そういった意味でも十分な対応をして頂けたと思います。最終的に頂いたデータについても基本的にはちゃんと復旧されていましたので、満足のいく結果です。

データ復旧の料金はいかがでしたでしょうか?

「通常であれば10万円ぐらいかな」と思っていましたので、ほぼ検討通りの金額でした。むしろ、こちらの予想以上に断片化などが進んでいたみたいで、いろいろと時間をかけて対応いただきましたので、「もしかしたら結構オプションで費用を取られるかな」とも思っていました。そういう費用の加算もなく、こちらの予算を超えることもなかったので、良かったと思っています。

林様はヒトゲノム幹細胞医学分野がご専門とお伺いしております。どのような分野なのか、また、先生がその道を歩まれることになったきっかけをお教えください。

基本的には発生学で、特に僕たちは発生学の中でも配偶子がどうやって体の中でできてくるのかを研究しています。特に僕の専門は卵子がどうやってできてくるのか、という、研究です。この道に進むきっかけとしては、中学か高校ぐらいの時に「バイオテクノロジー」という言葉が世の中に出てきました。いわゆる家畜などの動物に操作を加え、様々な形質をもった家畜を作るというバイオテクノロジーが登場し、それに興味を持ったのが最初です。その後、大学で農学部に行き、動物のいわゆる受精について研究したのですが、それ以来ずっと卵子というものの魅力に取りつかれ、現在もマニアックな研究をしています。

九州大学で研究をされるきっかけなどがあればお教えください。また、研究の環境という意味で首都圏と比べて不便に感じることなどはありますでしょう?

お声がけを頂いた、ということもありますが、九州大学は大学としてやはりレベルが高く、学生さんも非常に優秀です。研究がすごく出来る環境が整っているので、こちらでお世話になっております。研究場所、地域による差というものは今は通信システムが進化し、ほとんどの場所でつながっているので、昔ほど地域による情報差はほとんどないと思います。ただ、人口の差があるため、周りに同じことをしている研究者が少ないです。オンラインだけでは出来ないこともあるので、その点ではやや首都圏ほうが有利かな、と思うときはあります。

昨今はコロナウイルスの影響も大きく感じられていることと思います。実際、どういったところが一番変わったと感じていらっしゃいますか?

まず、教育でいいますとオンライン授業がメインになり、そこは大変だなと思います。また、研究でいいますと、海外出張、海外の学会への参加などに費やしていた時間がガラッと変わりました。今までは物理的に現地に向かい、話して、そこでいろいろな方とコミュニケーションを取って帰ってくるというやり方でしたが、今はオンラインです。やはり、オンラインのメリット・デメリットがあり、どちらがいいのかは僕もいまだによくわかりません。
現地に行く、いわゆるオンサイトのメリットは発表だけに限らず、発表以外の部分で研究者と会って話すことです。そういうところのコミュニケーションというのは研究以外の例えば人事について、「今うちにこういう学生さんがいるけど、次に君の所で面倒を見てくれないか」などの話が出来たところが、オンサイトのいいところでした。オンラインだとそういう会話は全く生まれません。そこが少し寂しいですね。
また、学生さんを学会に連れて行って、人が話しているのを見ながら「あれがあの論文の人だよ」というと、すごく親近感を持つようです。僕たちは最初に論文で名前を見るので、その人が実際にどういう人か分かりません。論文だけだといかにも偉そうな印象を持つのですが、実際に会ってみると普通のおじさんだったりするので、そういうところで親近感を持って世界が近くなることが良いところでした。オンラインではそういうところは難しいので、そういうオンサイトのメリットもありました。
逆にオンラインのメリットは時間的に圧倒的に楽なところです。1日の学会でも、ヨーロッパだと行って帰ってくるのだけでも最速で3日かかります。その部分が圧倒的に省略されました。また、発表そのものの情報量というものはオンラインでもほとんど変わらないので、そこもメリットです。また、オンラインなら興味のない演題やセッションは切って自分の仕事をして、興味のある部分だけ聞けばいいですよね。そういった自分の時間の使い方というものが大きく変わりました。ただ、オンラインになってみんな時差を気にしなくなりました。ヨーロッパやアメリカの学会だと日本時間の夜中に発表ということがあります。それをみんな気にしないので、昼夜働かないといけないということがたまにあります。それは逆にちょっと面倒だな、と思う所です。

昨年末、マウスの幹細胞に特定の遺伝子を注入し、卵子の状態に5日間で成長させる方法を研究チームが開発されたニュースを拝見しました。こういった研究をされる際、どういった方々とチームを組まれているのでしょうか。

今の生物学はいろいろと複雑になってきていて、1つのグループだけでは研究を完結することは難しいので、いろいろな専門分野の人が集まってチームを作ります。今回で言えば、細胞培養等は僕らの研究室で行いましたが、そのゲノム解析はドライワークのアルゴリズムを使用して解析する人たちのチーム、そしてもう1つ、イメージングと言って細胞をある程度時間的にとって、どういうようなふるまいをするかというのをちゃんと定量的に測るチーム。主にこの3つで構成されていました。それぞれが得意分野で対応し、その結果を最終的にまとめて発表しています。

上記の研究成果は、難病分野の研究でも遺伝性の難病「ミトコンドリア病」の治療に将来的には生かせることが期待されていて、九州大学様のヒトゲノム幹細胞医学分野のHPで「産業的に有用な生殖細胞の産生を目指しております」と書かれていました。研究結果がどういったことにつながっていく、波及していくイメージなのでしょうか。

研究というものはだいたいは思っていた枠だけでは収まりません。そこにはいろいろな波及効果が出てきますので、ミトコンドリア病に関しても、そういった波及効果の1つです。また、「産業的に有用な生殖細胞の産生」に関しては卵子だけでいうと、生き物の個体を作る細胞なので、動物が対象になります。有用な動物というのは、牛などの産業動物をより効率よく発生させる。特に僕らの研究は培養で卵子を作るという研究分野です。卵子は今までは身体の中でしかできなかったので、例えば今までは卵子を取ろうとすると、牛1頭がいないとできませんでした。それはすごくコストもかかりますので、卵だけ作れないか、という研究をしています。また、絶滅危惧種、例えばシロサイなどは卵子がなかなか取れませんので、だったら作りましょうと。そういう動物を絶滅の危機から救うことにも役立つと思っています。ただ、人に関しては議論がいろいろありまして、人はそんなやすやすと作ってはいけないということも、認識しております。

卵子に関する今後の研究課題や目標などについてお教えください。

今後は技術的課題として、卵子の質をあげるということ。また、直近のものとすれば、今、マウスを使わずに卵子を作るという研究をしています。卵子は単独では発生しないので、発生のためにいろいろなサポーターが必要です。少し前まではそのサポーターたちはマウスなどの生体から細胞を少し貰っていました。卵子の発生のために、従来は必ず動物を使用しないといけなかったんです。その動物を使わずにすませよう、という研究を最近しています。そうすると、まず僕らの研究の結構大きな部分でマウスが必要なくなります。今、世の中の動物を使用するな、というムーブメントはすごく強いです。例えば化粧品メーカーで動物を使用しているところから物を買わない、などの不買運動も見受けられます。僕たちも動物使用に関しては同意です。動物を使わなくて済むところは動物を使わなくて済むようにしていく。卵子に関してはそういうことがもうそろそろできそうな雰囲気もありますので、そこが直近の目標です。

研究におかれましてはデータ解析をされる機会も多いかと存じます。昨今、スーパーコンピュータやビックデータという言葉を耳にする機会も多くなりました。そういった技術の進歩が先生の研究の後押しをしているなど、感じていらっしゃる部分があればお教えください。

技術の進歩はすごく感じています。ここ10年ぐらいでガラッと変わりましたね。特に遺伝子発現解析とかゲノム解析は解析のアプローチの仕方がガラッと変わりました。また、そこで得られるデータのプロセッシングという方法もすごい勢いで伸びてきていて、まだ伸び続けている途中です。そこは非常に変わったところです。

最後にデータレスキューセンターに対するご感想をお聞かせください。

今回は大学のほうで対応実績があるとのことでデータレスキューセンターさんとご縁をいただきましたが、データレスキューセンターさんは年末年始以外、年中無休で営業されていて、「働きものだなぁ」と感心しています。今回は急ぎではなく、データの復旧が出来れば、という気持ちだけでしたが、たしかに、土日の営業や夜も営業されていると、急なトラブルの場合は初期調査の時間を短縮できるエクスプレスコースもあるし、すごく助かるな、と感じました。他にもそういった調査自体に対するご提案があれば検討余地があるかもしれません。
今回、初めてこういったトラブルを経験しましたが、「ハードディスクだけに入れておくと危ないな」と本当に感じました。やはり、いつ故障するかはわかりません。定期的なバックアップなどの体制が重要になると改めて感じました。大学内でデータ復旧を必要している人があれば、データレスキューセンターさんを紹介させていただきます。この度はありがとうございました。

※お忙しい中、快くインタビューに応じていただいた林克彦様に心よりお礼申し上げます。

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