データ復旧:トップ > いまさら聞けないパソコン基礎知識 > 外付けHDDについて
パソコンのUSBポートなどに接続する外部のハードディスク(HDD)を外付けHDDと呼びます。通常、パソコンにはハードディスクと呼ばれる記録装置が中に取りつけられていますが、パソコンに内蔵されているので、内蔵HDDと呼ばれることもあります。ワードやエクセル、写真などのパソコンで扱うデータや、インストールされたソフトはハードディスクに保存されます。
ハードディスクの容量が大きければたくさんのデータを保存できますが、大量のデジカメ写真や、ビデオカメラで撮影した動画、テレビの録画データなど容量の大きなデータを保存していると、内蔵HDDの容量ではあっという間に足りなくなってしまいます。そこで外付けHDDを利用すると、さらに多くのデータを保存できるようになります。また、パソコンの内蔵HDDと同じデータを外付けHDDにもバックアップすることで、万が一内蔵HDDが壊れた際の保険(データ復旧の予防策)になります。
外付けHDDは、その大きさや接続方法で様々なタイプがあります。
USBケーブルでパソコンと直接繋がる外付けHDDです。ケーブルを挿しこむだけで内蔵HDDと同じようにパソコンで認識します。フォーマット形式は、WindowsならNTFS、MacならHFSなど、内蔵HDDと同じファイルシステムが使用されます。また、このUSB接続外付けHDDには「ポータブル型」と「据え置き型」があります。
ポータブル型は主に2.5インチタイプのハードディスクが搭載されていて、USBケーブルを使ってパソコンから電力を受け取って動作します。そのため、持ち運びが容易でノートパソコンと一緒に持ち運んだり、データの受け渡しに使用したりできます。書類データや写真データなど、持ち運ぶ必要のあるデータを保存する場合はポータブルタイプがお勧めです。紛失のリスクがあるため、暗号化機能が搭載されている製品もあります。
一方、据え置き型は3.5インチタイプのハードディスクを使用していて、電源ケーブルから電力を供給されるため、持ち運びには適していません。その代わり、価格の割に容量が大きく大量のデータを保存することが可能です。
テレビ番組の録画や、ビデオカメラのデータを保存する場合は据え置き型がお勧めです。
USB外付けHDDのようにパソコンに直接繋ぐのではなく、家庭やオフィス内に構築されたネットワークを経由して、ネットワーク内の複数のパソコンからデータを読み書きできるようにした外付けHDDです。NAS(Network Attached Storage)とも呼ばれます。
パソコンに直接つなぐハードディスクとは異なり、あらゆるOSのパソコンから同時にアクセスできます。Windows、Mac、Linuxはもちろん、最近の製品ではAndroidやiOSからのアクセスにも対応しています。ネットワークにつながっているため、外出先からもアクセスできるように設定できる製品もあります。
パソコン側から制御するUSB接続外付けHDDと異なり、ネットワーク接続外付けHDDは単体で動作するようにできているため、簡易的なパソコンともいえます。ただし、フォーマット形式が独自のものになっていることが多く、壊れてしまった場合にハードディスクを取出してパソコンに接続しても基本的にはデータを見ることができません。その為、故障して保存データが必要な際は、データ復旧サービスを提供している企業への依頼が必要になります。
RAID構成に関しての詳しい説明はこちらでご案内しております。
http://www.resuce-center.jp/explanation/raid/index.html
RAIDは簡単にいうと、複数台のハードディスクを利用して、より大容量のデータを保存できるようにし、さらにハードディスクが壊れた時でもデータが消失しないように冗長性が保たれたシステムです。
もともとはサーバ製品で使用されていたシステムですが、現在では一般家庭向けの外付けHDDでもこのRAIDを搭載したものが販売されています。RAID構成のハードディスクにはUSB接続タイプと、NASタイプがあります。
ハードディスクの搭載台数は製品ごとに異なります。2台搭載タイプはRAID0とRAID1が選択可能で、4台搭載タイプはさらにRAID5やRAID1+0などが使用可能となります。RAID構成の外付けHDDも、故障した際はNASと同様に、データ復旧サービスを提供している企業への依頼が必要になるケースが多くなります。
RAIDの種類についてはこちらのページでご案内しています。
http://www.resuce-center.jp/explanation/raid/type.html
外付けHDDは様々な活用方法がありますが、タイプごとに得意不得意があります。
容量不足を補う場合はUSB接続HDDが良いでしょう。NASと比べると、扱いが容易で、パソコンを使用しない間は電源を切っておくことができます。また、一般的にUSB接続のハードディスクのほうがNASよりも高速にアクセスできます。
この場合はバックアップ元が1台のパソコンであれば、容量不足と同じようにUSB接続のハードディスクがお勧めです。パソコンが2台以上ある場合は、ネットワーク経由でのバックアップのほうが効率が良くなるのでNASがお勧めです。
オフィスなど、大量のパソコンがある場合はRAIDを搭載したNASを使うと良いでしょう。
遠隔地とのデータの受け渡しの場合は、ポータブルタイプのUSB接続HDDが最も手軽です。同じネットワークに繋がっているパソコンの場合はNASを使用しましょう。家族間でのデータのやり取りをする際にはNASの中に共用フォルダを作っておくと便利です。
非常に便利な外付けHDDですが、内蔵HDDやUSBメモリと同様に、突然壊れてしまう事があります。
壊れる予兆もない場合がほとんどですので、事前のバックアップが重要となります。外付けHDDに入っているデータのバックアップも忘れずに行うようにして、データの復旧リスクに備えましょう。